クテノポマ ペレグリニ(Ctenopoma pellegrini)

【学名】Ctenopoma pellegrini
一般名:Pellegrins Buschfisch

【命名者】George Albert Boulenger(1902)

【体長】112mm(TL)

【形態的特徴】C.multispineやC.nigropannosumと似た体高の低い細長い紡錘型の体型をしている。その体型はC.nigropannosumと比較すると、より円筒形に近く、吻は比較的丸みを帯びている。成魚には尾柄部に輪郭の不明瞭な横長の"dark bar"が見られる。成魚では、このbarは胸鰭付近まで達するが、未成魚の場合はより"spot"に近い。その他、鰭条数や鰓蓋の蓋の棘数等の値はC.nigropannosumと重なっている。
   また、幼魚(5~6cm)では、相対的に頭部が大きく丸みを帯びる為、頭でっかちなシルエットとなる。

【生息地】コンゴ川流域(C.nigropannosumと分布が似るが、やや限定的)

【好適環境】
水温:22~27℃ 
pH:不明
硬度:不明
※7~9月頃の間、29~30℃で飼育しても全く問題はなかった。

【飼育雑感】C.pellegriniが我が家にやってきたのは、平成30年4月のことだった。私がクテノポマを飼育し始めた2015年頃は、その名前すら全く知らなかったが、私がクテノポマ飼育の師と仰ぐ人物から、その名前を初めて聞かされ、それ以降、憧れのクテノポマとなった。
   この種はC.nigropannosumと同じく、遊泳性が高く、殆どじっとしていることがない。また敏捷性も高く、餌捕りの上手さはC.kingsleyaeやC.nigropannosumに匹敵する。C.kingsleyaeが剛のクテノポマなら、C.nigropannosumとC.pellegriniは柔のクテノポマといったところか。
   他のクテノポマ同様に剛健さは折り紙付きであり、飼育開始から苦労させられたことがない。水槽掃除の時に、私の腕にアタックをしかけてくる唯一の存在であり、縄張り意識なのか餌をねだっているのかはわからないが、兎に角物怖じしない性格だ。

【シノニム】なし

【輸入状況】
私が調べた限りでは、2006年頃に輸入されて以来、2018年まで輸入はなかったと思われる。2018年3月と7月頃に2回(または3月に1回か?)、2019年は3月に1回輸入があった。いずれもコンゴ便での輸入であった。

【その他】
・学名の"pellegrini"はフランスの魚類学者Jacques Pellegrinに献名されたもの。Pellegrinはアフリカの淡水魚に関する幾つかの著書を残している。

・クテノポマ ペレグリニは、本邦において、ニグロパンノースムと混同されて流通することがある。その要因としては、上述した通り、外観上の特徴が似ている部分があることに加え、1990年代発行の本邦の書籍において、おそらくペレグリニの亜成魚と思われる個体がニグロパンノースムとして紹介されたことが考えられる。




【参考】
1.J.-P Gosse 1986.Anabantidae.CHECK-LIST OF THE FRESHWATER-FISHES OF AFRICA,ISNB MRAC ORSTOM Paris,P412
2.Steven Mark Norris.1982.Superspecific relationship within the genus Ctenopoma(perciformes,Anabantoidei)a morphometric analysis and preliminary phylogeny.P25-30,94
3. WIKIPEDIA「Jacques Pellegrin」
4. Fish Base 「Ctenopoma pellegrini」


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クテノポマ専科

~更新情報~ 2022年1月31日「Ctenopoma動画保管庫」更新 アフリカ大陸の熱帯地域に生息するラビリンスフィッシュの仲間「クテノポマ」。私が魅了された野性味溢れるその姿と生態を、飼育下での観察と文献等から読み解き、紹介していきたい。