【学名】Ctenopoma maculatum
【命名者】Alexandre Thominot(1886)
【体長】150mm(SL)、200mm(TL)
【形態的特徴】
全体的なフォルムはCtenopoma weeksiiと似ている。体高は高く、不対フィンは伸長しない。鰓蓋膜の縁は黒い。
頭部及び躯幹部のカラーはミディアムブラウンまたはグレー。未成魚の頭部及び躯幹部はdark brownを基調としており、それよりも明るい色彩の斑模様が入る。また、吻から目の付近を通り、鰓蓋のあたりまで、黒っぽいバンドが走り、顎の下には"dark bar"が見られる。
躯幹部中央にはどちらかと言えば垂直方向に長い"dark spot"がある。そのspotは、淡褐色のリングで囲まれているか、または、背鰭の基部から腹部にかけて伸びる明るい淡褐色のバンドの中に位置している。
未成魚の腹鰭の基部に近い部分は黒く着色されているが、成魚の腹鰭は着色されていない。尾鰭の縁には放射状に黒い筋が見られる。
全体的に茶を基調としたカラーパターンを示すが、その茶色は様々な色合いへと変化に富む。
C.weeksiiとC.maculatumと違いは以下の通り。
1.最大サイズはC.maculatumが大きく上回る
2.吻はC.maculatumの方がより丸みを帯びる3.C.weeksiiの目からは、2本の縞模様が後方へ向けて放射状に走る
4.C.weeksiiの腹鰭がいつも黒っぽく着色しているのに対して、C.maculatumの腹鰭は、幼魚を除いてはいつも無着色である
5.躯幹部中央の黒斑は、C.maculatumは垂直方向へ広がりを見せ、C.weeksiiは水平方向へ広がることが多い
【生息地】カメルーン南部(Sanaga川、Nyong川、Ntem川)、ガボン(Ivindo川、Ogowe川、Rio Muni川)、及びコンゴ(コンゴ川、Sangha川)
【寿命】不明
【好適環境】水温:22~28℃
pH:6.5~7.5
硬度:15dHまで
【シノニム】
Ctenopoma multifasciata(Thominot,1886)
Anabas pleurostigma(Boulenger,1903)
【その他】
・種小名“maculatum”は「斑の」、“multifasciatus”は「顕著な帯状の」、“pleurostigma”は「側面に紋のある」という意味。
・記載者のAlexandre Thominotはフランスの疫学者であり、魚類学者であった。
・クテノポママクラータムの学名は、現在は“maculatum”、原記載論文では“maculata”、クテノポマが“Anabas”と呼ばれていた時代は“maculatus”と変化している。これは、学名の元となったラテン語の男性・女性・中性名詞の変化によるもの。学名の場合、属名の性に種小名の性を合わせなければならないという決まりがある(例外あり)。“Anabas”が男性名詞、“Ctenopoma”は中性名詞である為、上述の変更が行われている。ところが、原記載論文で用いられている“Ctenopoma maculata”は中性名詞+女性名詞から成っている。性の不一致があった場合は、後に修正される必要があるそうで、現在は1886年の原記載論文で用いられた“maculatua”は“maculatum”と修正されているということだ。
【参考】
1.J.-P Gosse 1986.Anabantidae.CHECK-LIST OF THE FRESHWATER-FISHES OF AFRICA,ISNB MRAC ORSTOM Paris,P 408-409
2.Melanie L. J. Stiassny, Guy G. Teugels, Carl D. Hopkins 2007.THE FRESH AND BRACKISH WATER FISHES OF LOWER GUINEA,WEST-CENTRAL AFRICA,Institut de recherche pour le développement,P267
3.Steven Mark Norris.1982.Superspecific relationship within the genus Ctenopoma(perciformes,Anabantoidei)a morphometric analysis and preliminary phylogeny.P40-42,100
4. Fish Base 「Ctenopoma maculatum」
クテノポマ専科
~更新情報~ 2022年1月31日「Ctenopoma動画保管庫」更新 アフリカ大陸の熱帯地域に生息するラビリンスフィッシュの仲間「クテノポマ」。私が魅了された野性味溢れるその姿と生態を、飼育下での観察と文献等から読み解き、紹介していきたい。
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